ランニング・マシーンの恐怖

緩やかに体重が増え続け、体のシルエットが変わっていく現状に歯止めをかけるべく、ついに今月からジムに行き始めた。入会したのはここ数年で一気に増えた、いわゆる24時間ジム。昨日は仕事が終わってから23時半くらいに行ったのだけどけっこう人がいて、東京はすごいな、と思う。

今のところ単純に体を動かすのが気持ちよく、マシンを使って筋トレをするのは日々のデスクワークでごりごりに固まった肩にも効きそうで、まだ2回しか行ってないけどみるみる健康になっている感じがする。どんだけ体動かしてなかったんだという感じだけど……。

自分の自信のなさは身体的なコンプレックスからきているところもあるなと思うので、それによってどう心象が変化していくかも観察したい。筋肉がついたことで妙に自信満々になったりする人いるじゃないですか。あれって単純に筋トレがストレス発散になるというだけではなくて、絶対に自己肯定感が高まっているんだと思うんだよな。あと、「筋肉はオカマのドレスよ」という新宿二丁目に伝わる格言があって、まああの業界はルッキズムえぐすぎ、と感じることも多いのだけど、とはいえ世の中のシャツやジャケットはお腹周りがすっきりしていて胸筋がほどよくあったほうが様になるのも事実なわけで、良いと思った洋服を試着してみたら全然似合わない、という「洋服からの拒絶」を減らして日々を楽しくするためにも、美しい体でいたいな思う。ただ、いま美しいと言いましたがその基準は一律ではなく、自分らしいかどうか、自分で自分を好きになれるかどうか、が大切だと思います。自分の場合はその基準が一般的な像と重なるというだけで。

 

ルッキズムやコンプレックスの話はおいおいしていくとして、今日話したいのはランニングマシーンである。実はランニングは去年の冬〜春にもやっていて、その時は外を走っていたのだけど、ある程度習慣づいてきたかな、というタイミングで父が倒れ、慌ただしくしているうちに夏になり、暑くてとても走る気にならず……という感じで途切れていたのだった。

実はそのマラソンの大会に、6月に出ることになったのである。去年の10月にも5キロの短い大会に友達と一緒に出ていて、それ以来一度も走ってなかったのだけど、今度は10キロ。そもそも10キロも続けて走ったことがない。だからその練習も兼ねて入会したところもあったのだった。

ランニングマシーンでは後ろに流れていくベルトの上をひたすら走る。ベルトが流れていくスピード=時速はパネルで0.1km単位で調整できるのだけど、この構造に対して妙な恐怖心を抱いてしまう。自分が何の支障もなく、同じスピードで走り続けられるという自信がないのだ。外の道を走っていた時はコンディションなどで自在に速度を緩めたり早めたりすることができたけど、ここでは速度を変えるためにはパネルを操作しなくてはいけない。パネルを操作するのはそんなに難しくないし、実際自分も走りながら緩めたり早めたりしているのだけど、何があるかわからない、という緊張感が拭えなくてちょっとパニックになりそうなことがある。しかも多少猶予があったらいいけど、ベルトは短いので1秒も止まっていたら滑り落ちてしまうし。あのベルトがもう2mくらい長かったら、気持ちが違うのかもしれない。

要するに自分の身体能力とか、瞬発力に不信感があるのだと思う。信じていようといまいと、いざという時は意外ときちんと発揮できるものなのは知っているけど、頭で考えるともうダメ。同じ理屈で、楽器とかダンスにもすごい苦手意識がある。昔はピアノやってたのになあ。ああいうのって頭も使うけど、基本的には体が覚えるもので、でも自分はその「体が覚える」がうまく理解できないんだなあ……と、運動神経のなさ、そしていかに自分が日々頭でっかちになっているかを噛みしめる。何も考えちゃダメだ、考えちゃダメだと思いながら、きっとまたベルトの上を走るのだろう。ベルト、外の道路と違って弾性があるので足への負担が少なくて、たくさん走れそうなのはすごく良いんだけどね。